こんにちは、キジくんケンケンブログのキジけんです、ケンケン。
世渡りの意味を辞書で見かけました。
よ-わたり【世渡り】[名]実社会で生活してゆくこと。渡世。||「―がうまい」
(明鏡国語辞典第三版)
いやさ、もうちょっと、書き方はあるんじゃないかな、と思うわけであります。
確かに、「世渡り」には「お金を稼いで生きていくこと」も含まれると思います。
しかし、「世渡り」は、どちらかと言えば、いじめと嫉妬と媚びへつらいと不平不満と怨念と、そういった感情が渦巻く人間関係をどう処理していくか、ということですよね。
明鏡国語辞典というのは、そういう人間が持つ感情についてああでもないこうでもないと言うのは避けるのでしょうか。
新明解国語辞典第八版では次の通りです。
よ わたり【世渡(り)】ーする(自サ) 人なみの暮らしをしていくこと。「ーがうまい〔=要領よく人と付き合い、いいポストを次つぎに見つけて、うまく世の中を生きていく。軽い侮蔑を含意することがある〕/彼のようなー上手〔=処世術のうまい人〕としては珍しい失敗だった」
(新明解国語辞典第八版。アクセント記号を省略)
「人なみの暮らしをしていくこと。」という語釈は平凡ですが、例文の「要領よく人と付き合い」や「処世術」と言った解説がしっくりきます。
ただ、「いいポストを次つぎに見つけて」と言ってしまうのはどうかな、と思います。これは畢竟独自の見解であって採用できない。
尤も、辞書と言うのは(明鏡国語辞典に限らず)一般的に、感情的なニュアンスに言及することは少ないです。
よ-わたり【世渡り】世の中で生活してゆくこと。くちすぎ。よすぎ。よわたらい。渡世。著聞一六「―にも不足なければ」。「―のうまい人」
(広辞苑第七版。「著聞」は、古今著聞集の出典略称。)
以上です、ケンケン。