こんにちは、キジくんケンケンブログのキジけんです、ケンケン。
「国民食」という言葉があります。しかし、辞書に載っているかというと、辞書により異なります。
大勢は載っていませんが、一部の辞書には載っています。
「国民食」とは
その国の人々に、広く好まれ食されている食べ物(食品・料理)を「国民食」と言います。
「和食」とはまったく異なる概念です。
「和食」は、日本の伝統的とされている料理です。しかし、「国民食」というのは日本に限ったものではないですし、伝統的な料理という意味ではありません。
辞書に載っている「国民食」の語釈は、下で紹介します。
「国民食」を載せている国語辞典
僕の手元の国語辞典15冊のうち、「国民食」を載せているのは下記の3冊のみです。つまり、「国民食」を載せている辞書は少数派と言えます。
ここで、「「国民食」を載せている」というのは、「国民食」が独立見出しとして載っているか、「国民」の子見出しとして載っている、ということです。なお、単に「国民」や「食」の用例として存在する場合は、「「国民食」を載せている」に含めないものとします。
辞書の年月日は、その版の発行年月日(年は西暦)です。複数の刷があるものも、第一刷の年月日に則るものとします。また、引用の際、見やすくするために改行を入れたり、漢数字を算用数字に変えたり、細かい記号や歴史的仮名遣いを省略・置き換えしたり、文字装飾等したりすることもあります。
三省堂国語辞典第七版(三省堂。2014年1月10日)
三省堂現代新国語辞典第六版(三省堂。2019年1月10日)
現代国語例解辞典第五版(小学館。2016年11月20日)
「国民食」の語釈
辞書に載っている「国民食」の語釈(用例を含む。)を紹介します。
「国民食」が「国民」の子見出しである場合、「こくみん」の部分は原文では「―」等の記号になっていることがありますが、下記引用では「こくみんしょく」と明記するものとします。また、「国民食」の用例の場合も、同様に(記号を使わずに)「国民食」と明記するものとします。
こくみんしょく【国民食】(名) その国の人たちが特に好む、代表的な食べ物。「カレーはもはや日本の国民食だ」
(三省堂国語辞典第七版(三省堂。2014年1月10日)「国民」の子見出し「国民食」)
こくみんしょく【国民食】〈名〉[主食や伝統料理以外で]ある国の人々がとくに好んで食べる食べ物。日本では、ラーメン・カレーライス・ギョーザなど。
(三省堂現代新国語辞典第六版(三省堂。2019年1月10日))
[こくみん-しょく 国民食] その国の人々に広く親しまれている食品や料理。日本ではすし、そば、カレーライスやラーメンなど。
(現代国語例解辞典第五版(小学館。2016年11月20日))
僕は国民食と呼ばれるものは、主食の代わりになるもの(腹の足しになるもの)か、主食のおかずになるものである必要があると思います。
カレーライスと――の地位は揺るがない
国民食を載せている上記3冊の国語辞典で、共通して挙げられているのは、「カレー(カレーライス)」です。
尤も、三省堂国語辞典第七版の場合は用例に過ぎないので、ラーメンやギョーザを排除する趣旨ではないでしょう。
三省堂現代新国語辞典第六版と現代国語例解辞典第五版(現国例)を合わせて考えると、日本の国民食として、ラーメンとカレーライスの地位は揺るがないと思います。
問題なのは、現国例が「そば」を例として挙げていることです。
10も20も例を挙げるなら、その中に「そば」を入れるのはわかりますが、たった四つしか書かないのに「そば」を入れていいのだろうかと素直に疑問に思います。
「そばを入れるなら、うどんは入れないのか」「オムライスやてんぷらやお好み焼きや焼きそばやチャーハンやおでんは入れないのだろうか」など、いろいろな疑問が浮かびます。
しかし逆に言うなら、読んで疑問が浮かぶ辞書というのは、(ありきたりのことしか書いていない辞書に比較して)面白い辞書だとも言えます。
(無理やりまとめました。)
ちなみに僕は焼きそばも好きです。
えっ、ナニナニ? 「お前はキジなんだから、焼きそばじゃなくてそこら辺のみみずでも食ってろ」って? はい、すみません。
以上です、ケンケン。