ことば

握り寿司の「カン」という数え方はかなり問題

こんにちは、キジくんケンケンブログのキジけんです、ケンケン。

寿司の握りの数え方として「カン」というものがあります。
ただ、この数え方は少々問題があります。
僕の手元の辞書1を参照して解説します。

表記が揺れている

カンとも書くし、「貫」「巻」とも書きます。
ただ、1つの語に複数の表記があることはままあるので、これを以てして致命的とまでは言えません。

語源がよくわからない

かん(造)握りずしの個数を数える語。||「中トロ1」▶近年始まった言い方で、語源未詳。[書き方]「貫」「巻」と当てるが、「カン」と書くことが多い。

(明鏡国語辞典第三版(大修館書店。2021年1月1日)355ページ下段)

かん【貫】
[二] <接尾> にぎりずしを数えることば。
[表記][二]は、語源が明らかでないため、「カン」とも書く。

(例解新国語辞典第十版(三省堂。2021年2月10日)[一]は省略)

まあ、語源がわからないことばは他にもあるので、まあ、ヨシとしましょう、まあ。

1個か2個かわからない

これはやばいほど致命的です。

かん(多く「カン」と表記。「貫」「巻」とも書く)握り鮨を数える語。1個ずつあるいは2個1組にいう。

(広辞苑第七版(岩波書店。2018年1月12日)646ページ)

かん【貫】《名・助数》④握り寿司を数える単位。[参考]1個をいう場合と、2個を1組みとしていう場合とがある。

(学研現代新国語辞典改訂第六版(学研プラス。2017年12月19日)①~③は省略)

1個か2個かわからないのであれば、「個」や「一つ」「二つ」と言ったほうが早いです。
また、皿に載っているものは、何皿という言い方もできます。

意外と最近使われるようになった言葉である

昔から符牒ふちょうや隠語として使われていた可能性まで僕は否定しませんが、広く使われるようになったのは、割と最近です。

かん 握りずしの個数を言うのに添える語。「こはだ2―」▷「貫」「巻」を当てるが、語源未詳。21世紀になって急に広まった言い方。

(岩波国語辞典第八版(岩波書店。2019年11月22日)305ページ上段)

まとめ

「カン」を使うことはお勧めしません。

「これはこう数えるんだ」という感じの助数詞が日本語にはたくさんありますが、よくわからないものを得意になって使うことはやめておいたほうがいいです。

以上です、ケンケン。

 

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註釈
  1. ここでいう「僕の手元の辞書」とはすべて紙の辞書であり、オンライン辞書や電子辞書はありません。
    辞書の年月日は、その版の発行年月日(年は西暦)です。複数の刷があるものも、第一刷の年月日に則るものとします。また、引用の際、見やすくするために改行を入れたり、漢数字を算用数字に変えたり、細かい記号や歴史的仮名遣いを省略・置き換えしたり、文字装飾等したりすることもあります。[]

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