ことば

「期日前投票」辞書では「まえ」?「ぜん」?

こんにちは、キジくんケンケンブログのキジけんです、ケンケン。

2021年(皇紀2681年)10月の総選挙が終わったばかりで選挙関係の話題ですが、期日より前に投票する「期日前投票」、どう読むのでしょうか。
「期日」が「きじつ」、「投票」が「とうひょう」なのはいいです。
「前」が「ぜん」なのか「まえ」なのかが問題なのです。

答えを言いますと、「きじつまえとうひょう」と「きじつぜんとうひょう」、どちらでもOKです。

ということで答えは出たのですが、これで終わりにするこのブログではありません。

手元の辞書を見て、見出し語として、どちらの読み方を採用しているのかを調べます

早く結果を見たい方は・・・→ 「まえ」か「ぜん」か 勝負結果

僕は16冊の(別種の)国語辞典を持っています1  2

対象とするのは、見出し語として載っている「期日前投票」という言葉のみです。従って、「前」という項目を調べて、その読み方として「まえ」か「ぜん」のいずれかを採用しているかというような調べ方はしておりません。また、調べたのは見出し語ですので、「期日」や「投票」の用例を調べてその読み仮名を調べるようなやり方はしません。
「期日前投票」の語釈の中で、「きじつぜんとうひょう」や「きじつまえとうひょう」という読み方が書かれていても勝負(!)に関係ありません。僕が問題としているのはあくまで、見出し語としてどちらの読み方を採用しているか、です。
「期日前投票」を含む「期日前投票制度」という言葉でもよかったのですが、「期日前投票制度」という見出し語を採用している辞書はありませんでした。

「期日前投票」という言葉が、独立項目である場合も、「期日」の子見出しである場合も、含みます。

辞書の年月日は、その版の発行年月日(年は西暦)です。複数の刷があるものも、第一刷の年月日に則るものとします。また、引用の際、見やすくするために改行を入れたり、漢数字を算用数字に変えたり、細かい記号や歴史的仮名遣いを省略・置き換えしたり、文字装飾等したりすることもあります。
子見出しでは親見出し部分を「―」等の記号で表現していることがありますが、本稿では(記号を使わず)「きじつ」や「期日」などと明記するものとします。

勝負結果

「まえ」と「ぜん」 勝負結果

・きじつまえとうひょう 7冊
・きじつぜんとうひょう 3冊
どちらも載っていない 6冊

まあ、「きじつまえとうひょう」も「きじつぜんとうひょう」も載っていない6冊は除くとして、「きじつまえとうひょう」7冊、「きじつぜんとうひょう」3冊ですので、ダブルスコアで、「きじつまえとうひょう」が勝っています

「きじつまえ・・とうひょう」を採用している国語辞典

「きじつまえとうひょう」を採用しているのは、下記の7冊です。

下記で、「「期日」の子見出し」とは、「期日」という見出し語の子見出しとして「期日前投票」という見出し語があるという意味です。

三省堂国語辞典第七版(三省堂。2014年1月10日)「期日」の子見出し
岩波国語辞典第八版(岩波書店。2019年11月22日)「期日」の子見出し
例解新国語辞典第十版(三省堂。2021年2月10日)独立見出し
新選国語辞典第九版ワイド版二色刷(小学館。2011年1月31日)「期日」の子見出し
旺文社標準国語辞典第八版(旺文社。2020年12月4日)独立見出し
三省堂現代新国語辞典第六版(三省堂。2019年1月10日)独立見出し
明鏡国語辞典第三版(大修館書店。2021年1月1日)独立見出し

実際に辞書から引用

そのうち、2冊引用します。

きじつまえとうひょう【期日前投票】一定の事由があって投票日に投票できない有権者本人が、公示日・告示日の翌日から投票日前日までに期日前投票所で行う投票。▽法律では「きじつぜんとうひょう」と言う。
(岩波国語辞典第八版(岩波書店。2019年11月22日)「期日」の子見出し)

きじつまえ とうひょう【期日前投票】(名・自サ)〔法]仕事やレジャーなどで投票所へ行けないとき、投票日より前に投票をすませること。選挙人名簿(メイボ)の登録地でおこなう。きじつぜん とうひょう。⇒:不在者投票。
(三省堂国語辞典第七版(三省堂。2014年1月10日)「期日」の子見出し)

なんとなく最近、「レジャー」という言葉はそんなに聞かない気がします。

いずれも、「きじつぜんとうひょう」ともいう旨が書かれているのですが、あくまで見出し語としては「きじつまえ」になっています。

「きじつぜん・・とうひょう」を採用している国語辞典

「きじつぜんとうひょう」を採用しているのは次の3冊です。

広辞苑第七版(岩波書店。2018年1月12日)「期日」の子見出し
大辞林第四版(三省堂。2019年9月20日)「期日」の子見出し
旺文社国語辞典第十一版(旺文社。2013年10月13日)「期日」の子見出し

実際に辞書から引用

そのうち、2冊引用します。

きじつぜん-とうひょう【期日前投票】〔法〕一定の理由で選挙期日(投票日)に投票できない選挙人が、期日前に選挙人名簿登録地の市町村で行う選挙。期日まえ投票。⇒不在者投票
(旺文社国語辞典第十一版(旺文社。2013年10月13日)「期日」の子見出し)

きじつぜん とうひょう【期日前投票】仕事や用務など公職選挙法の定める一定の事由により、選挙当日投票できない選挙人が選挙期日前に行う投票。不在者投票と異なり、期日前投票所で本人が直接、投票箱に投票する。→不在者投票
(大辞林第四版(三省堂。2019年9月20日)「期日」の子見出し)

 

以上です、ケンケン。

註釈
  1. 同じ辞書で版が違うものがある場合は、最も新しい版のみを見ることにします。[]
  2. 僕が最近まで持っていたのは15冊でしたが、『角川国語辞典新版』417版という辞書を買ったので16冊になりました。[]

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