キジ「桃太郎さん、鬼ヶ島まで行くにはどうすればいいでしょうか」
桃子「そこの、漁民か誰かの舟で行くから。」
犬「あれっ、桃太郎さん、何か雰囲気が変わりましたね。」
桃子「私は桃子よ」
猿・キジ「ええっ?」
桃子「鬼ヶ島に着いたら、鬼と平和に暮らすための和解をするのよ?」
猿「桃子さん・・・でしたっけ? それは無茶ですよ」
桃子「鬼ヶ島を理想の社会にするのよ」
キジ「相手は鬼ですよ?」
桃子「鬼も本当は優しいのよ。・・・さあ、しゅっぱーつ!」
・・・
ささやきながら相談する犬・猿・キジ。
キジ「・・・桃子ってキャラクター、頭がお花畑だ。なんとかしないと・・・」
犬「うーん、・・・」
猿「そうだ! 新明解国語辞典1と岩波国語辞典2で、桃子のほっぺたをひっぱたこう」
犬「急に、何を訳のわからないことを・・・」
猿「2冊とも、桃太郎はあるけど桃子という見出し語はないんだ」
キジ「ナイスアイディアだ」
犬「まあ、普通、桃子なんて見出し語あるわけないと思うけど」3
・・・
桃子「あ、あなたたち、そんな分厚い本でわたしをぶとうとしているでしょ? 刑法208条暴行罪で罰せられるのよ。・・・暴力ハンターイ。」
猿「け、刑法で罰せられる行為は、人間の行為だけだ」
キジ「よし、桃子、これをくらえ・・・(ペシッペシッ)・・・あれっ、効かないな」
キジ「間違えた」
猿「明鏡と三国にはジェンダーフリーという見出し語もある6んだ」
犬「今度こそ。岩波と新明解をくらえ・・・(ペシッペシッ)・・・」
桃子「もはやこれまで・・・」
・・・
桃太郎「あれっ?」
犬猿キジ「気づきましたか。桃太郎さん」
こうして一行は無事、鬼退治を目指すことになったのでした。
註釈
- 新明解国語辞典第八版[↩]
- 岩波国語辞典第八版[↩]
- 話は逸れるが、中国語(現代漢語)では、桃の実のことを桃子taoziというそうな。だとすると、桃子が桃子から生まれたなんてことになってしまうのかな。[↩]
- 明鏡国語辞典第三版[↩]
- 三省堂国語辞典第七版[↩]
- 三省堂国語辞典第七版には、ジェンダーの子見出しとしてジェンダーフリーは存在する。[↩]