こんにちは、キジくんケンケンブログのキジけんで
す、ケンケン。
最近、また、僕の持っている辞書たちに新しい仲間が増えました。

旺文社国語辞典第十一版です。奥付には、「初版発行 1960年10月10日」「第十一版発行 2013年10月13日」「重版発行 2019年」と書いてある。
えっ? 十一版なのか重版なのかよくわからない。
どうやら、重版というのは、「増刷」のことを意味するようです。だから、内容としてはあくまで「十一版」というのが正しいようです。ということで、内容はそんなに新しくありません。
さて、話を戻して、「熟年」とは何歳くらいだろうか、ということに、国語辞典たちはどう答えているでしょうか。
では、まず最初に、今回僕の家にやってきた「旺文社国語辞典第十一版」から行きます。
じゅく-ねん【熟年】中高年層をいう語。人生の経験を積んで円熟した年ごろ。ばくぜんと五〇歳前後をいう。「―期」
(旺文社国語辞典第十一版「熟年」)
50歳なんてまだまだこれから、という気もするが、円熟してしまいますか、そうですか。
次。
じゅく ねん[熟年](名)成熟した年齢(ネンレイ)。中高年。
(三省堂国語辞典第七版「熟年」)
三国1は、あまり何歳だと言いたくないようですね。それと、この見出しには星マーク2つがついています。それは、「社会常識語」という意味だそうです。「熟年」が社会常識語? 少し不思議な感じがします。
では、次。
じゅく-ねん【熟年】人生を十分に経験して円熟した年ごろ。[参考]一九七〇年代後半から「中高年」に代わることばとして使われ始めた。
(学研現代新国語辞典改訂第六版「熟年」)
ははーん、この[参考]は参考になる。
そもそも熟年というのは、「中高年」という言葉が直接的なので、なんとなくぼやかすためにできたんだな。政治的意図が垣間見える。
[じゅく-ねん 熟年] 成熟した年代の人。五〇代を中心とした中年の世代をさす語。
(現代国語例解辞典第五版「熟年」)
この言い方だと、「中高年」というよりも「中年」の言い換えという感じですね。
じゅく ねん【熟年】長年培った経験や技能が成熟した年ごろ。中高年を指す。「老いてなお―の情熱を持ち続ける/―期を迎える」
(新明解国語辞典第八版「熟年」)
新明解で熟年が中高年なのはまあいいとして、「老いてなお熟年の情熱を持ち続ける」という例文が、いまいちピンとこないですね。
じゅく-ねん【熟年】[名] 五、六〇歳代の年齢層をさす語。中高年。実年。||「―世代」◆円熟した年ごろの意で一九七〇年代から使われるようになった語。
(明鏡国語辞典第三版「熟年」)
僕の感覚でいうなら、明鏡国語辞典の説明が一番しっくりきます。
熟年というのは、50歳代(現代国語例解辞典)というよりは、50歳代+60歳代くらいだと思います。
また、中高年というのはかなり範囲が広いので、三国その他の辞書の「中高年=熟年」というのもおかしな感じがします2。
以上です、ケンケン。
註釈