「しょっちゅう」って漢字でどう書くのという疑問に答えます。
「しょっちゅう迷惑電話がかかってくる」というような場合の「しょっちゅう」です。
はい、答えます。「しょっちゅう」はひらがなで書いてください。・・・
辞書で「しょっちゅう」を調べると漢字がないのだから仕方ないですよね。
でもそこは、僕は、記事屋ならぬ文字屋です。なんとか漢字で書きたいという欲求に答えます。
結論
結論から言いますと、「しょっちゅう」の漢字は・・・、どうしても漢字で書きたい場合は、
「初っ中」または「初中」
であるべきだと考えます。そして、どちらかと言えば、「初っ中」をお勧めします。
解説
ことばの由来
「しょっちゅう」の由来は二つの説があります。
(1)「初中後」(しょちゅうご)
この言葉は「物事の初め・中ごろ・終わりの三段階。」という意味です。(芸道、文芸論などの用語)
(2)「初中終」
仏教語で、「初めも善く、中ほども善く、終わりも善く」という意味です。
いずれにしても、最後の一文字が略され、初めの2文字「初中」が促音化で「しょっちゅう」となったということです。
したがって、由来から考えて、「初中」か「初っ中」となるべきです。
「後」や「終」は書きませんので、由来が「初中後」なのか「初中終」なのかは問題にはなりません。
もし、「初中後」か「初中終」のいずれかで書くのだとしたら、どちらが由来として正しいのか判断する必要が出てきます。
しかし僕はそういうことは述べていないので、どちらが由来として正しいのかはここでは述べません。
「初中後」や「初中終」と書くべきか
「初中後」や「初中終」と書いて「しょっちゅう」と読むべきだという考えもあると思います。
しかし、最後の一文字(後、終)は略されてしまったのですから、書く必要はないですよね。
例えば、「特急」は「特別急行」の略ですが、「とっきゅう」は「特別急行」と書くべきだという人がいたらおかしいですね。
「電卓」は「電子式卓上計算機」の略ですが、「でんたく」は「電子式卓上計算機」と書くべきだという人がいたらおかしいですね。「「でんたく」は「卓」(テーブル)ではなくて「計算機」なのだから、略語になっても「計算機」という漢字は外せない」という考え方にのっとるのだとしたら、略語は書けないですよね。
でも、「後」とか「終」という部分は重要では?
確かに、由来としては、「初めから終わりまでずっと」というような意味合いですので、「後」や「終」は重要ですね。
でも、こう考えたらどうでしょう。「世界中」とか「一年中」という場合の「中」は「そのなか全体」という意味ですよね。だから、終わりも含むんだと考えればいいのです。
これは別に、「初中後」や「初中終」の「中」が「世界中」の「中」と同じだと言いたいわけではないです。「そう考えたらいいのではないか」という考え方の提案です。
どちらかと言えば「初っ中」
ということで、「初中」か「初っ中」となるべきですが、僕は個人的に「初っ中」をお勧めします。
まず、「初級」(しょきゅう)や「中級」(ちゅうきゅう)という意味で、「初中級」ということばがあるので、「初中」と書いてあると読み誤りやすいですね。
また、チャイナには「初級中学」(日本で言う「中学校」)の略として、「初中」ということばがあります。
そのため、こういった言葉が絶対に出ない、という文脈の場合は別に「初中」で「しょっちゅう」でも結構ですが、基本的には「初中」という書き方はやめておいたほうがいいですね。
そもそも「初」は「しょ」とは読めますが、「しょっ」とは普通は読まないので、「っ」はあったほうがいいですね。
「しょっぱな」も、「初っ端」とも「初端」とも書くと思いますが、「っ」の入っている「初っ端」のほうが読みやすいし、普通の書き方です。
基本的に「しょっちゅう」はひらがなで書く。
でもどうしても漢字で書きたいなら「初っ中」
以上です、ケンケン。