ことば

鬼の数え方

桃太郎の一行いっこうふねで鬼ヶ島に向かっている。

桃太郎「キジ、鬼がどんな状況か偵察ていさつしてきてくれ」
キジ「アイアイサー!」
桃太郎「昔話のキジは『アイアイサー!』なんて言ったりしない」
キジ「すみません。では『御意ぎょい』でどうですか」
桃太郎「よかろう」
・・・
キジ「戻ってまいりました。鬼3人が酒盛りの最中です」
桃太郎「ちょっと待て。鬼を『人』で数えたらダメだろう」
犬「どうしてダメなんですか」
桃太郎「お、いい質問ですねえ」
猿「勿体もったいぶらないで教えてください」
桃太郎「鬼を人扱いしてしまうと、刑法の傷害罪しょうがいざい客体きゃくたいになり、我々は、傷害罪に問われてしまう」
犬「急に難しいことを言いましたね。」
キジ「でも、犬・猿・キジは人間ではないので、僕たちが攻撃すれば刑法が適用されませんよね?」
桃太郎「だが、拙者せっしゃ1黍団子きびだんごを使ってやらせたということで間接かんせつ正犯せいはんになってしまうかもしれない。それか、犬・猿・キジは単なる道具であり、やはり傷害罪になりそうな気がする」
犬「単なる道具はいただけないですが・・・でも、桃太郎さんって、物知りですね」
桃太郎「そ、そうかぁ、テヘッ」
キジ「では、一体いったいなんて数えればいいんですか」
桃太郎「いや、『一体』ではない」
キジ「いえ、そうじゃなくて。鬼を、鬼を一体全体 何人じゃなくて、何・・・て数えればいいんですか」
桃太郎「そうだな・・・辞書にはなんて書いてある?」
猿「新明解国語辞典(第八版)では、『かぞえ方 一匹・一人』と書いてあります」
桃太郎「『一人』はさきほどの理由で却下。一匹、二匹、・・・にしよう」
キジ「では、報告しなおします。鬼3匹が酒盛りの最中です」
桃太郎「よしっ、どうやって攻撃するか作戦会議だ」
犬「一つ、気になることがあります」
桃太郎「なんだ?」
犬「この舟は、どうやって手に入れたんでしたっけ?」
桃太郎「ちょ、ちょっと記憶喪失で覚えていない」
犬「もし、正義の味方が、漁民の物を勝手に使っているとすると問題がありますよね」
猿「刑法の窃盗罪せっとうざい占有離脱物せんゆうりだつぶつ横領罪おうりょうざいに問われるとまずいですよね?」
キジ「ちょっと設定が甘くないですか?」
桃太郎「・・・け、刑法なんて関係ないんだよ、我々には」

桃太郎物語 まとめ

 

註釈
  1. 桃太郎の自称は「拙者」なのだろうか。[]

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