こんにちは、キジくんケンケンブログのキジけんです、ケンケン。
今日も辞書たちが「読んで読んで」と囁いてくるのです。

さて、「おやじギャグ」という言葉がありますが、この言葉は辞書に載っているでしょうか。
(本稿では、引用の際、漢字表記・品詞表示・約物・歴史的仮名遣い等を省略・置き換え等することがあります。)
明鏡 国語辞典には、どうも載っていないようです1。
おやじ ②年輩の男性をいう語。||「隣の―も定年だそうだ」「いけ好かない―だ」◆親しみ・さげすみ・からかいなどの気持ちがこめられる。
(明鏡国語辞典第三版「おやじ」より。)
親しみ・さげすみ・・・という「おやじ」のニュアンスについては触れられておりますが、「おやじギャグ」という言葉はありません。
明鏡国語辞典第三版では、「ギャグ」という見出し語にも、「おやじギャグ」という用例はありません。
次に、用例として「おやじギャグ」がある辞書を紹介します。
おやじ ③中年以上の男性を親しんだり、さげすんだり、からかったりして言う語。「―臭い趣味」「―ギャグ」
(学研現代新国語辞典改訂第六版「おやじ」より。)
用例として「おやじギャグ」が出てきたということで、さっきの明鏡国語辞典よりは、おやじギャグの存在感は少し出てきました。
「おやじ」の子見出しとして「おやじギャグ」が登場するのは、ともに三省堂(さんせいどう)の二つの辞典です。
まずは三省堂国語辞典第七版です。
・―ギャグ[親父ギャグ]おもに中高年の男性が言う だじゃれ。
(三省堂国語辞典第七版「おやじ」の子見出し「おやじギャグ」)
「おやじギャグ」の地位が少し上がりましたが、説明がシンプル過ぎます。
そして最後にいよいよ我らが新明解です。
―ギャグ[親爺ギャグ]〔おもに中年男性が〕気の利いたことを言おうとして発する言葉遊び。多くの場合かえって顰蹙を買う。「許してちょうだい」を「許してちょんまげ」という類。「部長が強烈な―を放った」
(新明解国語辞典第八版「おやじ」の子見出し「おやじギャグ」)
ぎゃー、やめてあげて。読んでいるこちらが恥ずかしくなります。
「許してちょんまげ」って、新明解さん2、それは「おやじギャグ」の中でも底辺に属するものでしょう。
「おやじギャグ」の地位を上げるどころか、かえってギャクに むちゃくちゃに 貶めています。
一応言っときますが、ギャク(逆)はギャグにかけています。
以上です、ケンケン。
